結局、彼女は生理不順を冗談めかして言っただけらしい。でも僕はその言葉を聞いて固まってしまったのには変わりない。
フラッシュバック。顔も知らない実父。欠けた自らの由縁。もし子を授かるならば、そんな思いだけはけしてさすまい。
フラッシュバック。彼女はまだ働きたいと思っている。手段がないわけではないが、子供程歳が離れた弟がいれば、それが酷く困難なことはよく分かる。
重い。とてつもなく。おまけに重さの殆どは彼女にかかるのだ。僕はその重さに足りうる彼氏だろうか?支える力のある彼氏だろうか?
きっとそうではない。脆弱で頼りない彼氏だ。今は、まだ。