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僕の彼女さんは可愛い。
クールなセルフレーム。レンズの向こう側にある目は吸い込まれそうなダークブラウン。輝きは強い知性と好奇心のそれ。整った唇と、そこからこぼれる、たくさんの言葉。躍動感溢れる活発さと同居する落ち着き。経験に裏打ちされた、教養の塊のような印象。あらゆる話題、単語、言い回しに至るまでの全てを拾って、受け止めて、放り投げてくれる。僕はいつだって「ぎゃふん」と叩きつけられ、身悶えするしかない。
僕の彼女さんは可愛い。
色白で小柄。並んで立つと、小さな頭が僕の胸の辺りに来る。エスカレーターで僕が一段下に立ってようやく横並び。
「ヒールの高い靴履いてこないと」
そんな不安定で危なっかしいの履かなくたって、僕が屈めばちゃんと届くからいいのに。
僕の彼女さんは可愛い。
雰囲気がどこか凛としているのに、仕草一つ一つがとても愛らしい。ストローでくるくるとグラスをかき回しているほっそりとした指。僕はそれを見ているだけでとんぼのように目を回してしまう。指一つで人をどうにかしてしまうなんて、僕の彼女さんは魔女なのだろうか。
僕の彼女さんは魔法使い。
気がつくと時間が消し飛ばされているし、何か不思議な力で僕の目を釘付けにしているし、時々目からビームも出ている気がする。どうやら思いきり魔法をかけられてしまっているようだ。
「――恋の魔法を。なんちゃって」
「どこが悪いんですか?頭ですね」