薄暗がりを、悠然と、いや、あっけらかんに何も考えずに、歩き続けている。
楽天家でも、盲信家でも、自信家でもない。見ているのは薄暗がりで、それ以外のなにものでもない。空間の空虚を視て、内面の空虚を知っている。
狂ってしまった時間の中に、死ぬためだけに、歩き続ける――戦いにだろうか?
何にせよ、来月だ。空虚の昼夜を越え、来月が終われば、概ねの見当はつく。
……限りなく、橋の下コースまっしぐらではあるのだが。そんなこと、どうでもいい。何も持たず、独り生まれてきちまったんだ。死ぬ時も、同じってだけさ。