Yahoo!が面白そうなことを始めてる。Y!Live
http://live.yahoo.com/


感覚としては視聴者が自由に参加者を抜き差し出来るSkype会議ビデオチャット、のようなものかな。まずメインのチャンネルがあり、そのチャンネルを見ている人で動画配信を同時に行っている人が下部のトレイに次々に表示される。視聴者はチャットのユーザー欄、あるいはトレイの閉じるをクリックすることで、トレイのチャンネルを自由に抜き差し可能。
画質はなかなか良い感じだが、その分音質がUstream同様犠牲になっている印象。ちなみに現在の代表的動画中継ストリーミングサイトはこんな感じ。

Livetube.cc
http://livetube.cc/
Ustream.tv
http://www.ustream.tv/
Stickam
http://www.stickam.jp/
Castily
http://www.castily.com/


では各サービス何が違うのかを寸評してみよう。まずLivetubeは、Javaによる配信クライアントを用いたFLV、あるいはASFでのWebブラウザ上の配信を実現する。配信ソースはWebカメラはもちろん、画面キャプチャー、Webページ(!)、画像などをサポートし、画質やFPS、音質に至るまで事細かに設定可能。配信は特定タグ*1をつけない限り自動的に録画され、削除されない限り後から何度でも見直すことが出来る。またAjaxを用いたコメント欄も備えており、視聴者はブラウザの更新をすることなくリアルタイムで動画にコメントをつけられる。配信されているジャンルは今のところゲーム等が中心だが、その汎用性は広い。しかし致命的な問題として、人が増えすぎるとトラフィックにより正常な視聴、配信が不可能になる点が挙げられる。帯域の強化を図るというアナウンスはされているので、今後の動向に注目。
Ustream.tvは最早説明の必要もないだろうが、基本的にWebカメラによるトーク、ラジオ的な配信目的の構成になっている。画質、音質は大まかに設定可能。直接値入力が出来ないので几帳面な性格の人は正確なマウス捌きが求められる。録画は配信者の操作で開始終了され、録画されたものに限り、公開設定になっていれば後から見直すことが出来る。また、Webブラウザ上でのIRCチャット機能を備えており、通常のIRCクライアントのような操作性を実現している他、当然のようにIRCクライアントからの接続も出来る。難点としては、動画配信ページを開きなおす度にチャットのログが吹き飛ぶ点。動画につけられたチャットも見れないため、チャットへの反応等を後から録画を見た人が理解できない可能性がある。また画質、音質共にさほど高くないのも、大規模なサイト故妥協しなければならないところだろうか。時折異国の方との交流も起こり得るので、色んな意味でスリリングである。
StickamSNS+動画配信サイトを謳うサービス。SNSに積極的に興味がないのでよく知らない。
CastilyはWMEを使った動画をFLVに変換して録画、配信をしてくれるサービス。WMEの導入と実行に、多分にPCスキル、PCスペックが要求されるが、その壁を乗り越えた先は高画質かつ高音質の快適な動画配信ライフである。Livetube同様コメント欄があり、録画を見る時も安心。Livetubeと層がかぶっているのか、配信ジャンルとしてはゲーム系が多数を占めるが、WMEのソースを変換、配信するだけなのでやはり汎用性は高い。


同様のサービスが続々と出てきてはいるが、どれも知名度のなさや利便性の問題で伸び悩んでいるようだ。ニコニコ動画Ustream.tvと組むとか組まないとかという話を聞いたような気がするが、ユーザー数的にはやはりUstreamが最大手といっていいと思われる。国産サービス二つは、機能は素晴らしいのだが、その後ろ暗さと、どうしても付きまとう帯域、サーバースペックの問題が足を引っぱり、その良さを活かしきれていない。そして冒頭にもあるY!Liveは、Yahoo!らしからぬ面白いサービスで今後の展開が大いに期待できる。自由参加の多人数会議動画チャット配信というのは、もう面白そうで面白そうで辛抱たまらん。それにしても何でYahoo!なんだ。こういうのはGoogleあたりがやると思っていたのに。でも面白そうなんだよなあ。もう少し配信設定が詳細に出来れば完璧なのに。どれもこれも後一歩で惜しい……。

*1:offreco