今までずっと、一人だけの楽な考えをしていたのだと気付く。自分の中の相手と、相手の中の自分、それぞれの命題を同時に解決する解を得るにはどうしたら良いのだろうか。


自分に価値があると信じれなかった。だから「僕よりいい人が他にもっと沢山いるのに」と考えてしまった。しかし相手は「僕でなくてはダメ」と考えている。僕は裏切っている。
自分に独占欲があると信じたくなかった。ただ相手の幸せさえあれば「それをもたらすのが僕でなくとも良い」と考えてしまった。しかし僕は嫉妬に苛まれている。
自分の気持ちに偽りはないと信じている。次々に降って湧く自問を一蹴し拒否し否定できる筈だった。しかし僕の頭は円環構造にはまり無限にループし続け、それが証明するのは自分の気持ちに対する疑念であるという自覚。僕はまた裏切っている。


そして何よりも、そんな自分の問題の整理に追われて数時間もほったらかした事実。最初から全部吐露してしまうのは我慢ならない。少なくとも自分の見解を持ってからそういうものは共有した方が良いとは、あれだけ独りよがりだった僕でも分かる。でも「ちょっと待ってて」と言えなかったのは僕の壁。もうないと思っていたのに、思わぬところに置いてある。一人なら気付かなかった。でももう、一人ではない。