日日日の「ピーターパン・エンドロール」に完全にぶちのめされた。中村祐介氏の装丁が目にとまって手に取ったこの本、まさかここまで詰まっているとは想像だにできなかった。


細部や帰結への過程は違えど、主人公の憂いや思想、それらの諦めが、うすら寒い程にあの頃の自分、今もすこしばかり頭の片隅に固着したものたちに触れては色を取り戻させる。


自分とそれを取り囲む関係性の全て、または痛みに至るまでもが虚構だとして、その中で己がとるべき態度とは。それは、思考と存在と言葉という揺らぎの全てでもって、創発の頂き、カオスの縁へと転がり落ちること、その他にない。何故って、逆説的に虚構からの突破を可能にするのが波動し揺らいだ中で生まれる混沌からの整然さであるし、諦めと失敗は虚構への隷属、誰かの筋書きに甘んじ自己を規定し箱庭に収まって、ぬくぬくと熱を喪失することに他ならないのだから。