そして一体どの面下げて戻ってきやがったこのダボが、と僕の面を張り倒したい心持であろう某氏へ。
申し訳ありませんでした。恐らくもう見限られてここももう読まれてはいないだろうと思いますが、せめて言葉としてだけでも書いておかねば、もう再び僕は書けなくなってしまうので。

幼少の頃からその傾向はありましたが、僕はどうやら共同で計画的に作業をする、という事に、絶望的なまでに向いていない……と書くと言い訳じみてしまいますけれど、それこそ密室に缶詰にされて、二十四時間監視の下に強制的にやらされでもしない限り、まず確実に甘えと怠惰にほだされてやるべき事を放棄してしまう悪癖が、これを書いている今でさえも恐らく、直らぬまま直そうとせぬまま、残っています。

落伍者の言い訳など聞きたくないでありましょうが、これは書かねばならないと言う妙な義務感によるものなのでどうしようもありません。いつだって僕はこういうものに突き動かされて、時には人の眉をひそめるような事をやったりします。
正直に言えば、お誘いを受けた時はまさか、という驚きと、少なくない信頼をされたというか、実力を認められたのだろうか、というような喜びがありました。話に並ぶそうそうたる面々と、表面上でも同等に扱われて良いものか、と、柄にもない恐縮をしてしまう程に。

そして順々に話し進められる企画の展望、僕の役割、予定を話されるうちに、僕の中に一抹の不安が生まれました。先にも書いた僕の悪癖についてです。本格的に僕が何かの企画に組み込まれ、中心に近いところで動く、と言うようなことをした事が生まれてこの方ありませんでしたから、仕事が他人より遅い、だとか、怠け癖がある、程度の認識しかその時点ではなかったのです。一応自分でも「そこまでは酷くはないだろう」という全く誇れない自負心もありましたが、念には念をおして、「最悪僕抜きでも進められるようにしておいてはくれませんか」と提案しました。しかしあなたは「そんなことはできない」の一言で一蹴してしまわれ、先の自負心もあった故に、何とかなるだろうなんて希望的観測で、参加することを決めてしまったのです。
それから堕落は始まりました。お誘いを受けて承認したからには、自分で決めて参加するのとは全く目標とするところが違います。受け手には勿論、同じ企画に参加する方にも認められるものを作らなくてはならないという重責を強く自分に課して、いざ作業にかかろうと思うものの、一行に手は動かず、行は進まず、一文字一バイトたりとも書くことが出来なくなりました。まだ話を受けて日の浅いうちは「ちょっと調子が悪いだけさ」と自分を納得させつつ白い画面を眺めていましたが、凡その期間が迫り、期間に入ってしまい、期間を大幅に過ぎても白いまま、何度「やっぱり辞めさせてくれないか」と言い出そうかと思いましたがそれも出来ず、そして企画自体の予定を大幅に遅らせてしまってからもさっぱり改善しないまま、自分で決めた期日にすら間に合わせられず、致命的なまでに時間をおいてからのこの言葉、自分でも一体何をしているんだと情けなくなります。

意図的でないタイミングでサーバーも止まり、このまま雲隠れして無かったことにしようかとも考えましたが、それは書くことを止める事と同意義、何より信頼を裏切ったままの最悪の選択でしかないと思いました。
もう信頼なんて欠片も残っていないでしょうし、恐らく挽回の機会もないでしょう。と言うよりも、挽回できる機会を与えられたとして、それに応えられる自信を僕はもう持つことが出来ません。
言い訳ばかりで見苦しい謝罪文ですけれど、黙って去ったり、何事も無かったかのように再開するような厚顔無恥な真似すら出来ませんでした。むしろその方が良かったのかもしれませんが、僕は戻る事を選びます。