多くは言わない。ただ、黙祷を。
……しかし、内藤泰弘先生よ。あんたは凄い。多くの同業者に多大な影響を与えているだけはある。そして同時に、全くもって酷い。救いは、時に最も残酷に、人の心を穿つ。それを知っていながら、あんたは、あんな……。
――鐘の音が空間に響き、宙には薄羽のように紙吹雪が舞う。彼が帰ってきた。彼が帰ってきたのだ。そこには暖かい「おかえり」が満ちていて、しかし「ただいま」の声は……もう、かえってこない。
どうか、安らかに。