内部告発関連で。
情報の真偽(id:kanoke:20041101)だとか、Gung-Hoの対応がどうとかは、眉唾も含むのでひとまず置いておいて、ユーザー側の話。
まとめサイトうさだ(http://lovelove.rabi-en-rose.net/)でも書かれているように、ユーザーには「金を払わない」と言う手段が残されていた。不平不満があり、しかしサポートはまともな対応をしてくれず、それでも「金を払い続ける」と言うのは、一体どういう事なのか。
一言で言えば、「依存」である。依存と一口に言っても、その性向や内容は多岐にわたり、依存が複合し、絡みつき、もはや呪縛だとか固執のようなものになってしまっているのではないか、と僕は考える。
ひとつは、完璧なまでの積み立て式ゲームだと言うことだ。つぎ込んだ時間が長ければ長いほど、ゲーム内のアイテムは増え、キャラクターは強くなる。そしてその時間が長ければ長いほど、比例どころか二次関数的な上がり方で、「もったいない、惜しい」と言う思考が生まれる。
またひとつは、異常なまでに閉じたコミュニティである。本来MMORPGと言うものは、大規模故の不特定多数とのコミュニケーションが、ゲームとしての大きな楽しみの要素であるはずだ。しかし、ラグナロクではごく一部に社交的な人種が集うのみで、後は殆どが「ソロ」と呼ばれる一人上手プレイか、「ギルド」と言う仲間単位での行動である。ソロプレイヤーに関してはなんと言うか、同じ人種として「ご苦労様」としか言えないが、ギルドや固定パーティに所属する人々は、何やら妙な「連帯感」と言うか、群集心理の様なものが働いている様に思う。お互いに切磋琢磨し合って楽しみあう、と言うよりも、むしろお互いにべったりとくっ付いて、寄ってくるものはとりあえず拒み、狭い範囲での楽しみさえあれば良い、と言う風潮さえ感じられるほどの、酷く内向的で陰湿な繋がりがそこにはあるように感じられてならない。そして大概の彼らは、ラグナロクやそれに類したオンラインゲームを通じてしか、お互いの楽しみを共有できないのである。それ故に、雪崩式に「引退」が起きたり、別のゲームに一斉に移住、と言うような事がままある。
そして、極め付けが、呆けてしまう程に凄まじき楽観主義である。「所詮ガンホーだし」だとか、「法則発動ですか」なんて単語を何度聞き、また僕自身も発した事だろうか。それらの発言はつまり「現状は仕方ない」と言う諦観であり、「そのうち良くなるかもしれない」と言う希望的観測であり、「まあ仲間も居るし、消すのも勿体ないし、どうせ暇だからいっか」と言う怠惰だ。
これらの理由や、その他ユーザー毎の事情*1が絡み合い、その結果として「飼いならされてしまった」という現実が、今である。そして首輪に繋がれ、まともに世話をされなかった彼らは鬱屈し、それの引き金となったのが件のゴシップ誌なのだ。
先の批判記事にもあるように、所詮ゴシップ誌であるし、その内容は既存の風評を写したに過ぎないものだ。しかし、今や「不買運動を起こそう」だの、「抗議と、現状を知ってもらうために活動しよう」と言ううねりになり始めている。果たして、ゴシップ誌と、今までの「噂」、相違点は一体何処なのであろうか。この記事以前に、彼らが動くに足る材料は既に揃っていた。匿名掲示板や、ゲーム内の識者によって、彼らの眼前にそれがあからさまに提示された事もあった。しかし、それでも彼らは飼われ続けた。
本当に悪いのはGung-Hoだろうか。韓国の一般ウケしやすいMMORPGから始まったMMORPGブームであるが、そのどれもが今や失敗と言うに足る惨状である。悪貨は良貨を駆逐する。悪いビジネスモデルは、良いビジネスモデルの足がけにはならない。
さあ、怠慢と怠惰のツケがやってきた。何処へ移住しようが楽しめないのも、こんな事に騒がねばならないのも、一体誰の所為か。一体誰が悪いのか。
答えは、出ている。動くか否かは、あなた方次第だ。

*1:ゲーム内での結婚など