答えないあの日の木陰

日々流れ、生まれ、消えてゆくもの。あの頃夢中になったものは、もうどこかへ行ってしまった。あの日語り明かしたひとは、もうどこかへ行ってしまった。あの場所にあったはずのものは、もうどこかへ行ってしまった。
失うことが怖いと言う人が居た。僕は彼に何と言った?
別れることが悲しいと言う人が居た。僕はあの人にどんな顔をした?
詰め込みすぎて破裂寸前のブックマークを開けば、そこに見えるのは404、404、404、404。Not Found? そんな筈はない。あったんだ。あったはずなんだ。今だって、僕はしっかり、覚えているんだから。
時々ふと、誰かについて想いをはせる。あの人たちの痕跡は、綺麗さっぱりワイヤードの世界から消えてしまった。だけど、もしかしたら。もしかしたら、きっと何処かで会えるのかも知れない、と。ひょっとすると、知らん顔をして、またこっちの世界に顔を出しているのではないか、と。
最近では、お気に入りのサイトの巡回すらしなくなっている。何だか、見ていると悲しくなってしまうから。何処かに去っていった人たちの面影を見ているのかもしれない。いつかは消えてしまうと言う事実を、認めたくないのかもしれない。
僕が文章を書き続ける理由。僕がサイトを構築し続ける理由。
ハロー、届いていますか。僕はまだ、こっちに居ます。いつかまた、戻ってきますか。また、話がしたいです。
僕は、ここに居ます。